偽情報の拡散

ケンブリッジ大学教授ジェイソン・アーデイの辞任と死――盗用疑惑、AI生成デマ、書き換えられた連帯書簡が重なった九日間

英ケンブリッジ大学教授ジェイソン・アーデイが博士論文盗用疑惑で辞任した9日後に死去した事案を、BBC・Retraction Watch・Lead Stories等の一次報道から検証。法的圧力による報道抑制、AI生成デマ、書き換えられた連帯書簡という複数の情報操作層が実害に至った構造を分析する。
ファクトチェック

令和8年熊本地震にみる災害偽情報の構造――人工地震説からAI加工写真、外国人排斥言説まで

2026年7月28日発生のM7.1熊本地震で拡散した偽・誤情報を、piyolog・日本ファクトチェックセンター・国内外報道など複数情報源から検証。人工地震説の投稿数推移、生成AIによる写真加工、外国人排斥言説への転化過程まで、拡散構造の変化を具体的に分析する。
ジェンダー

ミソジニーを覆い隠す偽情報――OHPI報告書『Technology Facilitated Violence Against Women』にみる修辞戦術の類型化

豪州のOHPIが2026年8月に公表した、Collective Shoutへの2025年オンライン虐待キャンペーンを分析した135ページの報告書を紹介。アド・ホミネムやトゥ・クォークなど偽情報の修辞戦術を類型化し、ミソジニー正当化の構造を検証する。
情報操作

EEAS『2025年 人権と民主主義に関する年次報告書』にみる偽情報・情報操作対策——選挙監視から新技術章、FIMI対策までの構造分析

EEAS(欧州対外行動庁)発行、上級代表カヤ・カラス名の「2025年人権・民主主義年次報告書」(208頁)を分析。選挙監視17件、EEAS第3回FIMI脅威報告書、EUvsDisinfoの19000件超の事例など、偽情報対策が5章にわたり分散配置される構造と、欧州民主主義シールドの制度設計を検証する。
論文紹介

Build it, Break it, Repeat――シェフィールド大学の学生チームが検証したX短文偽情報検出器の反復的敵対性評価

シェフィールド大学の学生プロジェクトが発表した論文「Build it, Break it, Repeat」を紹介。X投稿の機械生成偽情報検出器を対象に、逆翻訳やペルソナ書き換えなど5反復の敵対的攻撃で頑健性を検証し、DASS型対照学習モデルが最大95%のラベル反転攻撃下でも72.68%の精度を維持したことを報告した。
論文紹介

「怒っているが正しい」――COVID-19誤情報への反論投稿はなぜ感情的なのか

南カリフォルニア大学(USC)の研究者による論文「Angry but Accurate」は、COVID-19誤情報に反論する投稿26万件超を分析し、訂正投稿の方が誤情報より怒り・嫌悪・悲しみで感情的に強いことをNLI分類とSHAP分析で示した。
プラットフォーム

TikTokのアルゴリズムは中国のイメージをどう構築するか——NASKによるポーランド版TikTok検証報告

NASK傘下Ośrodek Analizy Dezinformacjiが2026年に発表した報告書「Algorithm Manipulation: China's Image on TikTok as Seen by Polish Users」を分析。新疆・チベット・天安門事件・台湾・人権・再教育キャンプの6語を3カ月間・9,593件追跡し、TikTokの検索結果が親中的に偏る実態を検証する。
情報操作

「危機・統制・十字軍」――NATO StratCom COEが解剖したロシア国内プロパガンダの作動構造

NATO StratCom COEの報告書「Crisis, Control, Crusade」は、2024年1月〜2025年3月の313万件のロシア国内メディアを分析し、クルスク侵攻や戦勝記念日など5事例から「危機→統制→十字軍」という3段階の情報統制パターンを実証的に抽出した。
情報操作

Counter-FIMI: 敵対的主体を「攪乱」する対抗策は正当化されるか——NATO StratCom COE報告書

NATO StratCom COEがThomas Colley氏の分析として2026年7月に公表したCounter-FIMI報告書は、2016年以降の英語文献を対象に偽情報操作主体への攪乱型対抗策の効果を検証し、11要素からなるPERSISTENCEフレームワークで文脈判断の体系化を図る。
情報操作

マラウイ2025年総選挙:市民社会主導「選挙状況室」が記録した3,574件のインシデントと2,000件超の偽情報

マラウイのCSO連合「Consortium for Electoral Democracy」がUNDPマラウイ選挙支援プロジェクトの支援を受けて公表した2025年総選挙状況室(ESR)報告書を分析する。観察員6,840人、iVerifyが検知した偽情報2,000件超、インシデント3,574件のデータをもとに手法と構造を検証する。